華道は力仕事?
着物の着付けの先生のお誘いで、
草月流のお花を教えていただきました。
華道には、「流派」がいろいろとあって、
草月流は、新しい流派だそうです。
過去に一度、流派は忘れましたが、
お正月に飾る花を教えていただいたことが
あります。
もちろん、お花も生けたのだと
思うのですが、巨大ともいえる松の枝を、
でっかい水盤に突き刺したことしか、
覚えていません~
なにしろ、力仕事で、剣山という針山に
硬い枝を突き刺す作業の大変なこと。
ほうほうの体で突き刺したら、今度は
「はい、抜いて~。 持って帰って
ください。」
今度は、必死で剣山から引き抜いて、
周囲に恐縮しながら、電車で松の枝を
持って帰り、自宅で、またまた、
格闘して突き刺す。
もっと、おしとやかな習い事だと思っていたのですが。
いや、もう、二度とごめんだ、と。
敬遠しておりました。
心配しなくても、この料金で、
そんなに立派な枝は
ありえませんから・・・と言われ、
じゃあ、まぁ、いいか。
というのが今回のいきさつ。

芸道の心得
まず最初に、お花の先生から、
「真行草(しんぎょうそう)」の説明がありました。
ん? それってなに?
という方もいらっしゃるかもしれませんが、
わたしには親しみ深いことば。
といいますのも、幼少のみぎり、
わたくしめは書道を習っておりました。
オホホ。
でもって、先生から、徹底的に
「真行草」を叩き込まれました。
なので、この「真行草」の
ものの捉え方は
わたしの中に染み付いて、
わざわざ説明が必要なことだとは
思っていませんでした。
そこで・・・
現在、大学生と社会人一年生の甥っ子たちに
ねぇねぇ、真行草って知ってる?
と聞いてみました。
なにそれ? 知らん。
守破離(しゅはり)なら知ってるけど・・・
なにかのキャッチフレーズ?
そこで、現在84歳の母にも訊いてみました。
知りませんでした・・・
チーン・・・
そこで、改めて考えてみました。
真行草ってなに?
書の書体、真書・行書・草書の総称である。
転じて、日本の中世以来の諸芸道では、
様式や空間の価値概念を表す理念語として
使用されている
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E8%A1%8C%E8%8D%89
とあります。
書道では、真は、楷書と呼ばれる、
整った形の書体。
草書はくずし字。
アートっぽいやわらかな曲線です。
行書は、楷書と草書の間の、
ちょっと崩した字。
書道から派生したものですが、
その後、各分野に 派生し、日本文化の
基本となっている考え方です
わたしは、掛け軸のデザインを
するのですが、
掛け軸にも、「真行草」の
仕立て方があります。
造園にもあります。
左官にもあります。
建築にも、礼(おじぎ)にもあります。
それらは、形が違っているので、
見てわかります。
それぞれの分野で独自に解釈されて
形作られてきました。
装いで言うと、
「真」はフォーマル
「行」はセミ・フォーマル/
スマート・カジュアル
「草」はカジュアル
ってとこでしょうか。
真行草を日常に利用してみる
すべての物事に「真行草」がある。
わたしは、そう捉えています。
なので、時間軸も
・きちんと、気合をいれて、
・楽しく、リラックスして、
・遊び心で、自由に
という程度で分けています。
スケジュールを立てるのと
同じことなのですが、
単に、「Do」「Do not」ではなく、
必ず、真行草を入れるようにします。
今、自分がどこにいるのかがわかって、
時間的メリハリもできますし
(ちゃんとできていれば、の話ですが)
精神的にも、「仕事 VS あそび」のような
二極ではなく、リラックスして仕事、
仕事も兼ねた遊び、のような
曖昧時間があるのは、気が楽になります。
自分の自分による自分のための3D
甥っ子が言っていた、「守破離」のほうが
親しみが持てるようでしたら、
それでもよさそうです。
守破離
https://kotobank.jp/word/%E5%AE%88%E7%A0%B4%E9%9B%A2
剣道や茶道などで、修業における
段階を示したもの。
「守」は、師や流派の教え、型、技を
忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えに
ついても考え、良いものを取り入れ、
心技を発展させる段階。「離」は、
一つの流派から離れ、独自の新しい
ものを生み出し確立させる段階。
芸道ではなく、
自分の時間ですから
真、行、草の型であっても、
守、破、離の型であっても、
自分で決めればよいのです。
時間だけではありません。
スポーツでも勉強でも、仕事でも、家事でも、人間関係でも。
ここで注意!!
「真」は、書道でも楷書という
決まりを元にして作られた文字。
つまり、誰が見てもわかる
共通の理解として形づくられています。
なので、「真」に関しては、
周囲との協調を主体にしてください。
ひとりよがりは、
「真」にはなりませんぞ。
もし、
「Do」「 Do not」
「よい」「悪い」
「Yes」「No」 の
二次元の間で行き詰まっているのなら、
その間の、あいまい空間を
勝手に作って3Dにしてみませんか。